vagabondな社長Blog

相場のことからJAZZのことまで

『億を稼ぐトレーダーたち』詳細〜インタビュー内容9

『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。
インタビューの一部を掲載する。最後の9人目は緻密かつ大胆な売買をする個人トレーダー。

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●秋山 昇(個人トレーダー)
綿密な検証と大胆な行動──理想の二面性を持つ個人トレーダー


「累計利益5億円達成で 牛丼に半熟卵をつけるようになりました」
「先物探花」(さきものたんか)というWEBサイトがある。商品相場を行う個人投資家の間では広く知られており、「商品相場を実践する人なら一度は訪れたことがある」「ここで勉強した人が多い」などという声をよく聞く。商品会社の人に尋ねてみたところ、業界内でも「先物探花」の存在を知る人は多い、とのことだった。その先物探花を立ち上げ、独りで管理している秋山昇氏は、自らも個人投資家として商品先物市場で大きなトレードを繰り返してきた人物だ。
先物探花には多くのページがあり、秋山氏が発信する情報がこまめに更新(後略)

1.徹底した検証と実践の仲間

──初めてトレードしたのは、何年ですか?
最初のトレードは、2000年でした。ゴム指数の異限月サヤ取りと同時に、ゴムのサヤすべり取りでポジションを取ったのが初めてでしたね。でも商品相場をウォッチし始めたのは、1995年です。

──5年間も研究したのですか?
はい、そうです。何ごとも徹底的にデータを調べてから始める性分なのです。ですから、まず本を読みました。林さんのお父さんが書いた『商品相場必勝ノート』も、たまたま書店で見つけて読みました。その本の内容では、価格の上下を当てなくても利益を上げることができるという、「サヤすべり取り」にヒットしましたね。(後略)

2.あと1日で破産していた

──インターネット取引だと手数料が安いでしょうから、最初に考えていたシステムトレードも実行可能だったのでは?
そうですね。私が取引を始めた商品会社では、最初に口座を開いた時点でそれまでの対面取引の手数料の半額、売買の量などに関係なく半年くらいの期間が過ぎれば7割引、くらいの割引があったと記憶しています。だから、最初にイメージしていたシステムトレードも実践しました。

──では、システムトレードでもしっかりと利益を上げたわけですね。
いや、途中でやめてしまいました。システムトレードって、やってみると難しいものなんです。自分で作ったものとはいえ数式化されたルールに身をゆだねる、いや大切なおカネをゆだねるわけですから、ちょっとだけでもマイナスが続いたときにすごく不安になるんですね。予測の当たり外れは相場の必然で、裁量であってもシステムであっても、それは同じ (後略)

3.おカネが欲しいわけではない

──2004年に約7000万円の累計利益。その後は、どうだったのですか?
「累計収支のグラフ」にあるように、順調に利益が伸びていきました。でも先ほど指摘された通り、グングンと利益が積み上がっていくかと思うと、ドスンと落ち込んでいるところがありますね。
私の張り方は、多くの人の参考になるものではないと思います。トレードする前に徹底的に検証を行いますし、理論的に実践可能なやり方だけを実行しようとしていますが、コツコツと利益を積み上げていくというイメージよりも、でっかいギャンブルをやっているという感じですね。(後略)

4.もう勘弁してください

──相場の話に戻ります。かなりの枚数を張ってこれだけ資金を増やしたのですから、商品先物市場ではかなり目立つ存在だったのでは?
そう思います。それに私は自分のWEBサイトにポジションを公開していますので、大量のちょうちん(他人の思惑に乗って同じ売買をすること)がつくケースもありました。ある時、油(あぶら)が暴落してクラックがグッと縮小したことがありました。私はその時、原油と石油製品のサヤ取りで「クラックが開く方向」にサヤ取りを仕掛けたのです。そして私のポジションに、かなりのちょうちんがつきました。するとプロ筋が私と対立するポジションを取り、噂では彼らが「秋山とそのちょうちん筋がぶん投げるまでクラックを縮小させる」と言っていたようです。(後略)

5.あらためてシステムトレードを研究する続きを読む

『億を稼ぐトレーダーたち』詳細〜インタビュー内容8

『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。
インタビューの一部を掲載する。8人目はプロップファーム(自己資産運用の専業企業)の経営者兼トレーダー。

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●高橋良彰(エイ・ティ・トレーダーズ代表)
17年間、月間で1人もマイナスを出していないプロップチームをつくりあげた男


「チームで100億円の利益を積み上げてきた。 大切なのは人のチカラだ」
エイ・ティ・トレーダーズというプロップファームを経営する高橋良彰氏は、自らも商品先物のトレーダーとして日々トレードを繰り返して利益を出しながら、所属するトレーダーの教育や管理などを幅広く行っている人物だ。プロップファームというのは、投資家の資金を預かって運用するヘッジファンドとは異なり、単純に自己資金を運用する投資会社のことである。 高橋氏はシカゴで学んだトレーディングの技術を日本に持ち込み、それをきっかけにして編み出した独自の手法で長期にわたって好成績を上げながら、トレーダーの育成にも力を入れてきた。そんなこともあってなのか彼の考え方は、自然体で無理がないという印象だ。個人投資家が自分のトレード技術や資質を再確認するうえで、とてもわかりやすいと思う。

1.相場には精神力が必要なのか

──高橋さんは現在、プロップファーム「エイ・ティ・トレーダーズ」の代表取締役です。今の立場に就くまでの経緯を聞かせてください。
商品先物の業界に入った時は、S商事という会社で働いていました。その時代に会社の負担でシカゴに行く機会があって、日本では誰もやっていなかったどころか発想すらなかったような最先端のトレーディングテクニックを学ぶことができました。これが現在の立場につながる私の経歴の、大きなきっかけだったのです。 日本に帰ってきたあと、シカゴで学んだテクニックを早速、実際のマーケットで試しました。月給トレーダーの立場で行う会社の資金運用に、そのテクニックを使ってみたわけです。そうしたら、それこそウソみたいに儲かったのです。

──その素晴らしい結果が、独立するきっかけだったのですか?
いえ、さすがに短期間の結果ですぐに独立を考えるほど、短絡的ではありませんでした。(後略)

2.アナログで行う、・サヤのサヤ・を取るサヤ取り

──高橋さんが行っているトレードの方法を、差し支えのない範囲で説明してもらえますか?
基本は、先物における限月間のサヤ取りです。しかし単純なサヤ取りだけではなく、サヤとサヤを組み合わせたサヤ取りまで広げます。(後略)

──具体的な成績について聞かせてもらえますか?
S商事では累計15億円、現在のエイ・ティ・トレーダーズでは、現在まででチームの累計利益が80億円を超えていますから、トータルで約100億円です。証券の世界と比べたら少ないかもしれませんが、商品のプロップファームとしてはなかなかの成績ではないかと自負しています。(後略)

3.縮みつつある商品先物市場の中で

──先ほど、商品先物市場の出来高が非常に少なくなったという話がありました。高橋さんが今後もトレードを継続していくことも含めて、どのように考えていますか?
市場の発展を考えたとき、いろいろな要素があると思います。まずは根本的な部分で、大手商社の存在と商品市場の利用方法とか、海外の投資家を含めた市場参加者の多寡などです。政治家や官僚といった国のリーダー的な人たちの能力を適正に束ねて、食糧問題など国家が直面する課題とからめた日本のかじ取りという面が、もっともっと強まるべきではないかと思います。 日常の仕事において気になるのは、国内投資家の参加状況ですね。(後略)

4.人のチカラ

──高橋さんは自らもトレーダーとして活動しながら、同時にトレーダーの教育を行っています。テクニックを身につけるうえで大切なものは、何だと考えていますか?
一番は、素直なことです。サヤ取りは、もともと単純なものです。(後略)続きを読む

『億を稼ぐトレーダーたち』詳細〜インタビュー内容7

『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。
インタビューの一部を掲載する。7人目は波乱万丈の相場人生を経てきた個人トレーダー。

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●橋田新作(個人トレーダー、研究部会報会員)
勉強した知識に長い経験を加えてついに成功。2年間で1億円以上稼いだ孤高の個人トレーダー


「相場はいつでも失敗の連続です」
橋田新作氏(仮名)は現在、名古屋の高級マンションの15階に住み、遠くまで見渡すことができるリビングルームに手描きのチャートを広げ、銘柄を絞って株のトレードを行っている。若いころから貿易の仕事に携わりながらドル/円相場に振り回されてきたことや、何気なく始めた株で大きな損を出した経験を糧にして、独自の哲学とトレード手法にたどり着いた人物である。林投資研究所の研究部会報会員である彼は、2008〜2009年の2年で株のトレードによって1億円以上の利益を上げた。 橋田氏の手法を紹介すれば、細部について「林投資研究所の教科書とは違う」と指摘する人がいるかもしれないが、経験に裏付けられたバランスの良い考え方が根底にあり、そういう意味で相場の成功者として紹介したいと強く思う人物だったのでインタビューを申し込み、快く引き受けてもらった。

1.株で全財産を失い離婚

──まずは月並みな質問です。仕事の経歴を聞かせてください。
私は18歳から42歳まで会社員で、ずっと繊維の輸入をしてきました。繊維といっても素材としての糸や生地ではなく、シャツなどの製品について仕様を決めて海外工場で作らせ、それを輸入して販売するという仕事でした。わかりやすく言えば、現在のユニクロが行っているようなビジネスのやり方を、あれほど組織的にではありませんが自分の発想と工夫でやっていたのです。ですから、それなりの活躍だったと思いますし、業界の隅から隅まできちんと見てきた経験があると思っています。

──では、相場との出会いはどんなところにありましたか?
輸入の仕事は常にドル決済なので、損益に関しては製品そのものの価格よりも為替相場が変動したときの影響が大きく、仕事をすることが直接、相場に身を委ねるようなものでした。マーケットの動きを気にするという感覚は、そのころから必然的に持っていました。こういった経験が、現在の相場にも役立っていると思います。(後略)

2.FAI投資法から為替のトレードへ

──相場の失敗について橋田さん自身の答えを出したということですが、繊維の仕事を再開して資金を作りながら、相場に関してはどういう姿勢でいたのですか?
本当にゆっくりと勉強を続けました。 そして、実際にトレードを再開したのは2000年になってからでした。私は自分の投資手法としてFAI投資法を選び、2000年の12月から低位株を買い始めました。

──月足などの道具は、勉強しながら用意したのですか?
はい、そうです。ゆっくりと勉強をしていく過程でFAI投資法に焦点を定め、トレードを始める前に数百銘柄の月足チャートを描きそろえました。長期の上げ下げを見るのが重要だということが、よくわかりました。(後略)

3.限界を知ること

──今までの相場経験から、いろいろなことを感じてきたと思います。例えば、相場のおもしろさとか。
いろいろありましたが、感じてきたのは相場の怖さだけですね。為替の変動は、80年代に一気に円高が進んだ時代は別にして、株ほど大きなものではありません。でも貿易で利幅の少ない商売をしていたら、ちょっとした為替変動ですぐに利益が消し飛んでしまいます。契約から決済までの間に円高方向に動けば、想定していた利益が何もしないで何倍にもなることがあります。でも逆に動いたときは、本当にしんどいものです。一定の利益を想定して品物を買い付けても、為替の動向次第では簡単に損になります。いくら輸入しても損になるなんて状況だって、十分にあり得ますから。
そんな経験をしていたにもかかわらず株では無理をして大損したのですが、今は決してムチャをしないトレードに落ち着いています。 結局、「限界を知る」ことが重要だと思います。(後略)

4.失敗の歴史が大切

──「限界を知る」という点にフォーカスすると、FAI投資法の実行しやすい面が“ぬるい”と感じるようですね。
そうです。それに加えて、外部からの情報がジャマをすることがあるのです。そんなことも考えておく必要があるでしょう。 (後略)

5.死ぬまで相場を続けたい続きを読む

『億を稼ぐトレーダーたち』詳細〜インタビュー内容6

『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。
インタビューの一部を掲載する。6人目は最近増えているプロップファーム(自己資産運用の専業企業)のトレーダー。

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●西村正明(山前商事、プレーイングマネージャー)
理論の裏付けによって負けない売買を繰り返す、プロップファームのプレーイングマネージャー


「おもしろみのない地味な売買でマーケットのゆがみを拾う」
山前(やまぜん)商事は商品取引員として長く営業を続けてきた会社で、林投資研究所とも長いつき合いがある。2006年にはこれまでの顧客の注文を取り次ぐ委託業務をやめ、自己資産運用の専業企業、いわゆるプロップファームとして再スタートした。その山前商事の常務取締役である西村正明氏に話を聞いた。西村氏は商社のディーリングから最先端のトレード手法を学んだあと別の商品会社の金融デリバティブ部で部長職にあったが、新しい職場環境を求めて山前商事に移り、現在はトレードの現場で若手の教育を中心に相場の世界に携わっている。 西村氏のトレードそのものは特殊かもしれないが、基礎の考え方はふらつきがちな個人投資家にとって耳を傾けるべき価値があり、ぜひ紹介したいと考えてインタビューを依頼した。(後略)

1.夢を持って商品業界に入った

──商品業界というのは、残念なことにあまり良い評判が聞かれない世界です。商品業界を選んだ理由などを、まずは聞かせてもらえますか?
大学を卒業して就職したのが1991年でした。現在のような厳しい状況ではなく、楽に就職できる環境でした。ですが高校の時にまじめに勉強していなかったために名のある大学には進めませんでしたので、大手の、いわゆる一流企業には入れないと最初から思っていました。そんな中で、商品会社なら自分の努力でトップを狙えるから、そんな方向性もおもしろいという発想でした。(後略)

2.負けないトレード

──商社というのは独自の情報網を持っていて、商品会社からの情報など見向きもしない、ということはありませんでしたか?
現物の情報はしっかり持っていましたが、マーケットの情報に関しては非常に乏しい状態でした。現物の流通をわかってはいても、商社としてマーケットに入っていくノウハウがなかったようです。そもそも、いろいろなかたちで現物を扱う商社がマーケットとどうかかわっていくべきかという点について、商品会社でもきちんとした意見を持っている人がいないくらいの状況でした。(後略)

3.おカネの怖さを知っておカネの世界に惹かれた

4.理論の裏付け

5.商品業界の未来


──西村さんの言う「理論のないトレード」で、実際に実績を上げている人もいます。そういう商品業界の大手個人投資家について、どう思いますか?
結果が出ればいいのですから、「すごいなあ」と思います。でも、「上か下か」に興味のない私にとっては異次元の世界です。私にとっては、彼らがやっているのはトレードではなく“駆け引き”です。別の言い方をすれば、情報戦ですね。切った張ったをしている人たちが人形町あたりの飲み屋に集まって、でまかせを交えたポジショントークをしたり、「○○筋がどうした」みたいな話をしながらお互いの腹を探り合って延々と飲んでいるという光景が当たり前に繰り広げられています。
そこには私が大切にしている理論など全くありませんし、相場技術という要素もありません。(後略)

6.個人に大切な夢とは

──情報を取り入れたり整理するという点について、もう少し詳しく聞かせてください。
トレードというのはある意味、集団心理、群集心理を読むことです。こういうことはいろいろな本に書かれていますが、本に書かれている理論だけでは実戦で役立ちません。(後略)続きを読む

『億を稼ぐトレーダーたち』詳細〜インタビュー内容5

『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。
インタビューの一部を掲載する。5人目は元為替ディーラーの個人トレーダー。

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●成宮宏志(元為替ディーラー、FAIメンバー)
理論と感性を融合させて結果を出す、元為替ディーラーのFAI投資法実践者


「守・破・離」「チャートを見てマーケットの声を聴くのが楽しい」
為替ディーラーとして正規の教育を受け、現場での実績も持ち合わせた成宮宏志氏(仮名)は、現在は別の職業に就いている。しかし相場への興味を失わずに個人投資家としての道を探しているうちにFAI投資法を知り、2008年に林投資研究所を訪ねてくれた。
FAI投資法とは林投資研究所が提唱している売買手法のひとつで、長期にわたって下げ、内容が良いにもかかわらず低位に甘んじている銘柄を選定し、分散投資によって上げ相場を取ろうとするものである。今回の成宮氏が為替ディーラーとして行っていたような対象を極めて限定するトレードが職人的と定義するならば、FAI投資法は相当にアマチュア的だということになる。だが、数多い銘柄の月足チャートを手描きしながら、まさに“売買するための銘柄選定”を行うFAI投資法は、なじみやすい印象とは裏腹に資料の作成・整理に時間を費やす必要のある、仕事的な売買でもある。
さて、最初の訪問のあとも成宮氏と何度か会う機会があった私は、為替ディーラーとして学んだことをもっと知りたい、FAI投資法の研究を行う投資クラブである「FAIクラブ」のメンバー間で共有したい、と強く思うようになった。こんな経緯があって成宮氏がFAIクラブへ入会することになったのだが、個人投資家の立場にいる成宮氏のプロの目にFAI投資法がどう映るのかを知りたくて、今回のインタビューを申し込んだ。(後略)

1.学問ではわからない

──まずは為替の世界に入ったきっかけ、つまり銀行に入った理由などを聞かせてください。
実は、学校の先生が勝手に決めたんです(笑)。1990年代の前半から就職氷河期などといわれていますし、就職活動に対する認識は時代の流れでずいぶんと変わってきました。でも私が卒業した1970年代は、かなり大らかだったのです。
当時の私は東京に住んで早稲田大学に通っていたのですが、岡山県の田舎出身で何もわからないような状況だったこともあり、先生に言われるまま面接のためにある大手銀行に行きました。(後略)

2.メンタル面をコントロールするカタチ

──当時の為替の動きには、どんな特徴がありましたか?
当時は、たいへんな円高の局面でした。その昔の1ドル=360円体制が壊れ、1973年には完全な変動相場制に移行し、その後は一貫して円高方向に推移しました。私が携わっていたのは1981年から85〜86年くらいまでだったでしょうか、200円台、100円台と、どんどん円高になっていったというのが大まかなところです。 ですから、戦略としては単純でした。(後略)

3.守・破・離という道

「守・破・離」という考え方を知っていますか? 芸事(げいごと)の世界でいわれる言葉です。ものごとを習得するプロセスを、3つの段階に分けて考えるのです。
「守」は文字通り「守ること」です。まずは挨拶からとか、とにかく先生に言われた通りのことをやるのです。理屈ではなく、先ほども言ったように、とにかくカタチから入るんですね。そしてそれを繰り返しやる、反復練習することでからだが覚え、簡単に実行できるレベルにまで達するわけです。
「破」は、その次の段階です。先生なり師匠からの教えを受け入れて確実に実行できるようになったら、今度は自分なりにカタチを変えていくのです。(後略)

4.ONとOFF

──少し話が戻りますが、ドイツでのディーリングで「かなりの確信がある時しかポジションを持たなかった」「結果として全勝だった」というのは、まさに超合理的な売買行動があったからだと思います。詳しく聞かせてください。
素人ほど、のべつ幕なしに売ったり買ったりしますよね。見ていれば、チャンスというのは見つかります。中には、千載一遇のチャンスもあります。それを“感じる”かどうかですね。相場というのは、そのチャンスをものにするために自分のONとOFFをコントロールしていくことだと思います。そのために、基礎としてのカタチが重要なのです。 相場の世界とは、常につながっていないとダメです。(後略)

5.楽しみながら「投資道」を極める続きを読む

『億を稼ぐトレーダーたち』詳細〜インタビュー内容4

『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。
インタビューの一部を掲載する4人目は、証券会社で働く現役ディーラー。
この元になったインタビューは、実は以前このブログで部分的に紹介(個人投資家の時代は終わったか?(2))したことがある(尻切れトンボになってしまったのだが)。

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綿貫哲夫(証券ディーラー)
値動きの背景を探ることによって、10年以上勝ち続けるベテラントレーダー


「私にとってマーケットは常に勉強の場なのです」
周囲からは異色といわれている職業ディーラー、綿貫哲夫氏(仮名)。 証券会社で働く職業ディーラーにもいろいろなタイプの人がいるが、職人的すぎて自分のトレードについて説明する言葉を持たないような人も多いだろう。例えばそんな人に具体的な状況を示し、「こんなとき、どうするんですか?」と戦略を聞いても、特殊な人しか理解できない答えが返ってくるのが落ちである。「うぅ〜ん、グッときたらボンといく。それだけですよ」なんて言われても、困ってしまう。きちんとしたテーマを持ってインタビューをして、個人投資家に有益な情報を引き出さないと、お互いに時間のムダになるだけだ。そんなことを思いながら知り合いのディーラーに相談したところ、綿貫氏という素晴らしい人を紹介してもらうことになった。 実際に話を聞いて、私は驚いた。10年以上もディーラーを続けて実績を上げているにもかかわらず、まるで株の勉強を始めたばかりで夢中になっている若い個人投資家のように、あらゆる情報に対してどん欲なのだ。しかも、単に情報を集めるのではなく(後略)

1.値動きにかかわる「人」が気になる

──職業ディーラーの一般的なやり方を説明してください。
まず、一定期間ポジションを持つやり方と、その日のうちに手仕舞いする「1カイ2ヤリ」、いわゆる日計り、デイトレードといわれるやり方に分かれます。

──それは個人の好みですか?
そうですね。一定期間ポジションを持つリスクを嫌がる人は、例えば銘柄を東京エレクトロンとみずほ銀行だけに限定したりします。その2銘柄だけを対象にして「買ってすぐ売る」を繰り返していれば、大幅にやられるリスクは避けられます。実際にそんな人がいました。その人は、ひとつの指標として先物の動きは見ていましたが、先物の動向を参考にというかきっかけとして、トレードの対象となる2銘柄のビッドとオファーを見て注文を出すというスタイルでした。2銘柄というのは極端な例でしょうが、とにかく銘柄をあまり増やさないでやっている人はたくさんいます。
あとは、会社との契約で制限があるかどうかです。金額的な制約だけでなく、一般の投資家のように一定期間ポジションを継続することができるかどうかは(後略)

2.何にでも食いつく新人類ディーラー

いま、歳がひとまわり以上も違う若いディーラーたちと同じ場所でトレードしています。彼らのやり方を見ていると、本当に驚きですね。市場を幅広く見ていて、動いているものなら何にでも食いついていくのです。そして、実際にそういう人たちが利益を上げているというのも事実です。板が薄い銘柄でも気にしないで手をつける、私の世代から見たら乱暴なやり方です。ディーラーだから儲かれば何でもいいのですが(後略)

──私が相場の業界に入ったのはバブルの最盛期ですから、石川島が無配転落直後に上げ始めて“ひと相場”があったりと、とにかくおカネが余っていた時代でした。単にカネ余りというだけで底上げの大きな相場があったのですが、メディアは「新人類」という言葉を使って、若いファンドマネージャーが怖いもの知らずで買い上がっていく新しい時代の相場だ、みたいなことを書いていました。でも、いまの話を聞いていると、まさに新人類ですね。
そうですね。ほんとに怖いもの知らずという感じです。私なんかは、そこまでついていくことができません。でも直近では、そういうやり方をしている連中だけが儲かっているというのも事実です。利益が驚くほどの金額に達しているわけではありませんし一時的な現象なのかもしれませんけれど、個人投資家と違って日々のトレードで利益を上げないといけない立場ですから、無視することもできませんね。

──そういう新人類ディーラーたちが動いている銘柄を見つける方法には、どんなものがあるのですか?
出来高変化率というものがあります。これを使っている人が多いのではないでしょうか。(後略)

3.実需不在の丁半バクチ

4.トレーダーとしての“自分”


──そういう動きが主流な状況では、一般の人やセミプロみたいなデイトレーダーたちも同じようなことをせざるを得ないのでしょうか?
短期トレードで結果を出そうとしたら、そういう状況に追い込まれます。板を見ているとわかるのですが、買ったとたんに少し上に売り指し値を出してくるのです。そういう見え見えのケースがよくありますね。思わず、「おまえ、いま買ったばかりだろ? そんなの誰も買わないぞ」なんてことを、端末の画面に向かって言ってしまいます(笑)。われわれディーラーは仕事なので、そういう動きを逆手にとって儲けようとしたりしながら毎日だまし合いをしているんですけど(後略)
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今年行った追加インタビューでは、新人類トレーダーのその後についてが語られている。こちらも実に興味深い話であった。
続きを読む

『億を稼ぐトレーダーたち』詳細〜インタビュー内容3

『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。
インタビューの一部を掲載する3人目は、リアルマネーのトレードコンテストで優勝した個人トレーダー。

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●杉山晴彦(個人トレーダー)
意地を張らない売買で、5カ月509・88%の収益を達成した学習塾経営者


「すべてはマーケットの都合に従うだけです」
「メッサーラ」というハンドルで個人トレーダーに広く知られている杉山晴彦氏は、本書の発行者であるマイルストーンズ代表細田氏の紹介で知り合った人物だ。
学習塾の経営という本業のかたわら、地味ながらも本格的なトレードを続け、安定した利益を出しているという。しかも2005年には、世界的に有名なリアルマネーによる「ロビンス−タイコムチャンピオンシップ」で素晴らしい成績で優勝したという。 (後略)

1.失敗を重ねながらも勉強を続けた

──まずは月並みな質問ですが、相場を始めたきっかけは何でしょうか?
2001年にある出来事があり、かなりまとまった額のお金が入りました。全部が使えるお金ではなかったのですが、その時に相場をやってみようと思ったのがきっかけです。もともと相場に興味があったわけではないので、相場だけではなくいろいろな商売についても検討したのですが、株という選択肢が頭の隅にありました。結局、悩んだ末に、株のトレードを始めることに決めました。
世間の評価とは違うかもしれませんが、一般的な商売よりも相場のほうがリスクが少ないと感じたのです。 (後略)

2.先物チャンピオンシップ優勝

──杉山さんは、2005年の「ロビンス―タイコムチャンピオンシップ」で509・88%という優れた収益率を上げて優勝していますね。その結果、インターネット上で有名になったり、細田さんと知り合い、ひいてはこうして私と話をすることになったのですが、まずはチャンピオンシップがどういうものかを教えてください。
「相場の大会」といえばいいのでしょうか、参加者は実際に自分の資金を口座に入れてトレードし、あらかじめ決められた期間(杉山氏が参加した2005年は7カ月間)での利益率を競うというもので、当初資金の下限は50万円です。資金を追加することも可能ですが、一定のペナルティがあります。この大会はよくあるペーパートレーディング(仮想の売買)ではなく、相場を見ながら実際のお金を動かしていく、“リアルタイム、リアルマネー”の競技です。有名なラリー・ウィリアムズも参加したアメリカのロビンス・トレーディング社が行う大会の日本版で、ロビンス社と提携して行われています。 (後略)

3.完全なシステム売買に臨む

──現在の売買について、具体的なことを質問していきたいと思います。まずは、いま行っているシステムトレードに至った経緯を聞かせてください。
2003年に小豆をやって少しのマイナスを出し、次にやったガソリンも失敗しました。そのあとの休みの時期に、本格的なトレードシステム作りに取り組みました。それまでの経験から、裁量でトレードする器量は自分にはないと感じていました。わかりやすいルールを決めておかないといけない、それならシステムトレードをするべきではないか、と考えたのです。値動きに対して謙虚になる、ひたすらマーケットに従う、というのが基本的なイメージですね。
翌2004年に再開した時は、ほぼすべてがシステムトレードでした。(後略)

4.勝つための条件

5.今後の課題など


──ガソリンをメインに商品相場をやっていて、時代の変化を感じる部分はありますか?
最近の商品市場は、稼ぎにくくなったように思います。以前のように大手が大衆をカモにしていた状況ではなく、プロとごく一部のセミプロが激しい競争をしているというイメージです。

──では、なぜ同じことを続けているのですか? やさしく取れる場所を探すという発想はないのですか?
自分が慣れているやり方ですし、今のところ問題なく利益が出ているので、変えるつもりはありません。でも短期のトレードだからでしょうが、常に次の選択肢を探しているようなところはあります。(後略)続きを読む

『億を稼ぐトレーダーたち』詳細〜インタビュー内容2

『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。
インタビューの一部を掲載する。2人目は現役ファンドマネージャー。

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●渡辺博文(大手アセットマネジメント・ファンドマネージャー)
個人投資家時代にビジネスモデル投資という手法を確立した、異色のファンドマネージャー


「本当の美人を見分けろ」
現在、アセットマネジメント会社で活躍している渡辺博文氏は、かなり特異な方法で売買を行い、実際にかなりの好成績を出しているファンドマネージャーだ。実は渡辺氏の考え方とやり方は、林投資研究所が提唱しているものとは全く異なっている。インタビューをお願いした時に、「なぜ私なんですか?」と何度も聞かれてしまったほどだ。 私と渡辺氏につながりがあったことがインタビューのきっかけだが、正式に依頼することを決めた理由は、まさに「自分たちとは全く違う価値観を持っている」ということだった。林投資研究所では専門を持つことの大切さを繰り返し発信しているし、それはある意味、「専門バカでいろ」というくらいの強いメッセージだ。しかし行動に制約のない個人投資家が自分の専門を貫くためには、自分のやり方に確信を持つ必要がある。だから、自分の専門に至るプロセスが重要だし、確信をより強固にしたり微調整したりするために必要な内面的なプロセスも不可欠だ。そもそも、自分とは違う価値観にふれることがこの本のテーマでもある。 渡辺氏の相場哲学を知ることで読者は、自分自身の売買を再評価する好機としてほしい。

1.サラリーマン留学

──アメリカに留学してMBAを取得したそうですが、大学は最初からアメリカだったのですか?
いえ、早稲田大学を卒業し、住友信託銀行に就職してから留学しました。会社の制度を利用して渡米し、MBAを取ったのです。

──では留学の件は後回しにして、まずは住友信託銀行に入った経緯を聞かせてください。
大学にいたころから、ファンドマネージャーになりたいと思っていました。当時の1980年代は企業が資金運用の枠を広げていた時代で、ファンドトラストとか特金(特定金銭信託)が盛んでした。だから「株式投資」というジャンルは、就職先として非常に高い人気があったのです。私も、ファンドトラストのファンドマネージャーになりたいという気持ちで就職活動をしました。 (後略)

2.私は作家です

──『機関投資家のウラをかけ!』をペンネームで書いたのは、どうしてですか?
理由は2つあります。 ひとつは、ファンドマネージャーを批判的に書きたかったということです。ちょっとずるいようですが、ペンネームを使うことで自由に筆を走らせて、意図した通りの価値ある本に仕上げたかったのです。 もうひとつは、三和投資顧問という組織に所属していたので、 (後略)

3.本当の美人を見分ける方法

──よく議論になることですし、さまざまな観点があることだと思うのですが、個人投資家とファンドマネージャーの違いについて、渡辺さんの意見を聞かせてください。
私は、個人投資家の立場とファンドマネージャーの立場を、両方とも経験しています。学生時代に行った株の研究は別にして、現在の立場、つまりアセットマネジメント会社のファンドマネージャーになる前は、個人投資家として自分の資金を運用して利益を上げていました。(後略)

4.判断基準の大切さ

5.株式投資のコストパフォーマンス

6.マーケティングの重要性


──先ほどの話で、「総合電機はビジネスモデルがわからないから買わない」「シャープだけは液晶と太陽電池で勝者になると考えて買っている」ということでしたが、シャープの技術に注目して買っているのですか?
いえ、シャープの技術ではありません。薄膜型の太陽電池パネルについてはシャープ以外のメーカーがあまり作っていないという点で優位性はありますが、(後略)

7.渡辺流ポートフォリオ

8.投資家魂
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