で今回は前投稿のコーラスグループ関連ということで、予定を変えてマントラのアルバム紹介にする。

B000002II2Vocalese
Manhattan Transfer
Atlantic 1990-10-25

by G-Tools

『ヴォーカリーズ』
ジャズコーラスの大傑作アルバム。85年、これが発売されたときはみんなぶったまげた。
「ヴォーカリーズ」とは、楽器のアドリブフレーズやアンサンブルフレーズに歌詞をつけて歌うもの。これまでのアルバムにも、1枚のアルバム中に1曲ぐらい入っているのもあったが、このアルバムは全曲ヴォーカリーズなのだ。バカテクが要求されるが、これはテクニックのひけらかしアルバムになることなく、とても楽しいアルバムになっている。このプロモビデオを集めたLD(これも楽しい!)と中野サンプラでのライブLDも持っているくらいだ。一曲目の「ザッツ・キラー・ジョー」でユーモラスにはじまり、C.ベイシー楽団の曲をベイシーオーケストラをバックにゴージャスによくスイングする「ランボー」(ギターはちゃんとフレディグリーンがきざんでます)。続いてロリンズの急速ナンバー「エアジン」を快調に歌う。一転4曲目はトミフラ(P)、リチャードデイビス(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)という純ジャズトリオにコーラスグループフォーフレッシュメンもゲストに迎えしっとりと「トゥ・ユー」。5曲目「ミート・ベニー・ベイリー」と8曲目「ブリー・ブロップ・ブルース」はシェリルがハイノートで盛り上げる。6曲目「ナイト・イン・チュニジア」はドント・ウォーリー・ビー・ハッピーでブレイクする前のボビー・マクファーリンが参加。7曲目のレイチャールズの「ロックハウス」はジャニスがソウルフルなソロを聴かせてくれる。これ、元曲がインストとは思えない! 9曲目「アイ・リメンバー・クリフォード」はアランがリードしながらしっとりと。バックはマッコイ(P)にロン(b)にグラディテイト(ds)とすばらしい。10曲目は9曲目を受けてクリフォードブラウンの名作「ジョイ・スプリング」というニクイ選曲だ。最後は急速調の「ムーブ」。この元曲が入っている「クールの誕生」というアルバムをボクははっきりいって嫌いなんだが、このマントラのはホットでカッコイイ。
これであっという間にこの至福のアルバムは終わる。

ちなみに、このアルバムで全面協力したジョン・ヘンドリックスは57年ころからヴォーカリーズのグループ「ランバート・ヘンドリックス&ロス」(3人の名前の列挙です)というのをやっていた。このアルバムと同じ曲をやっているのもあります。
ランバート・ヘンドリックス&ロス


B000002I8FMecca for Moderns
Manhattan Transfer
Atlantic 1990-02-22

by G-Tools

『メッカ・フォー・モダンズ』
初期マントラの代表作。えらく売れたと思う。LPでのA面がポップサイドでB面がジャズサイドになっている。ボクはどっちのサイドも楽しめた。ちなみにドラムは、バスドラが明らかにだれだかすぐわかるスティーブガッドがほぼ担当。
ポップサイドは2曲目「Boy from New York City」が特にハッピーな曲。ジャズサイドはヴォーカリーズに見劣りするのは仕方なし。だが最後の「バークリースクェアのナイチンゲール」のアカペラがあるだけで価値はぐっとアップするのだ。

B000002J15Tonin'
Manhattan Transfer
Atlantic 1995-02-14

by G-Tools

『tooni'(邦題/カバーズ)』
アマゾンのレビューでは悪評もあるみたいだが、ジャズ好きもそうじゃなくても楽しめるカバーアルバム。アトランティックからコロンビアソニーに移ってしょぼいアルバムを連発したあと、古巣アトランティックに戻った第一弾で、50、60年代のポップス、R&Bのカバー集で、なんだか選曲は山下達郎がやったんじゃないの?って感じ。粒ぞろいの名曲が揃ってる。


B000052612スピリット・オブ・セントルイス(サッチモに捧ぐ)
マンハッタン・トランスファー
イーストウエスト・ジャパン 2000-10-25

by G-Tools

『スピリット・オブ・セントルイス(サッチモに捧ぐ)』
最新作を聴いていないので、近作ではこれがいちばんかなぁ。ただ難点もある。
サッチモ(ルイ・アームストロング)の曲に取り組んだアルバム。ティムがいい味出している「オールド・マン・モーゼ」「ゴーン・フィッシン」がえらく楽しい。でも、米盤最後の「星に願いを」のスペーシーなサウンドはどうなのかなー、これがイマイチ。で、日本盤ボーナス2曲も同様にへんな音加工をしているのが大マイナス。「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド(この素晴らしき世界)」がねぇ、ドラムのブラシにへんなエコーがかかっているのと、管楽器が気持ち悪い(ジャケットを紛失したのでわからないがドラムも管もシンセかも)。歌はよいので、アカペラか、生ギター1本なら最高だったのに。最後の3曲がダメなのが減点だが、ほかは良いですよ。