土曜日に『ザヴィヌル〜ウェザーリポートを創った男』を読みおえた。

ぼくが気にいるタイプの本は、絶版になっちゃうことが多いので
気になったらとりあえず買っておくことにしている。ちょっと読んで続きが読みたくなるもの以外は、「積ん読」になっちゃうんだが(最近の相場の本はそればっか)。

さて、この本はジョー・ザヴィヌルという天才ミュージシャンの伝記。A4判、本文は2段組で360ページ以上あるにもかかわらず3日で読み終えた。実に読み応えのある本だったね。

ジョー・ザヴィヌルは、70〜80年代のジャズ・フージョンシーンのトップを走っていた「ウェザーリポート(WR)」の双頭リーダーのひとりで、70を超えたいまもバリバリの現役。なんでも今年、来日するようだ。もうひとりのリーダーはウェイン・ショーターで、一般的にはショーターのほうが高く評価されているが、ザヴィヌルがいなければ15年も高いレベルで活躍したWRというバンドは成立しなかった。

リアルタイムでWRを聴いていたぼくなので、当時を思い起こしながら読めば、音楽本としてまずおもしろく読める。そして、オーストリアに生まれた彼がジャズを極めるためにアメリカに渡り、キャノンボールやマイルスなどのサイドマンとして活躍しながらリーダーとなっていく過程、そしてその後のアルバム制作やツアーのプロモート等、「ビジネスとアートにからむ複雑な関係」を考えながら読むことができるのも興味深い。

“「アインシュタインは相対性理論をまとめている間、特許庁で働いていた。本で読んだんだが、進歩するにはまず安定した仕事を持たなければならないと彼は信じていたそうだ。毎日生き延びられるだろうかと心配している状況で、何かを作り出すのは困難だ」”
“六〇年代から七〇年代初期にかけて、「ジャズ界に身に置くものならマイルスとなんらかの関わりをもっていなければならない」と誰もが考えていた。マイルスを打ち負かすことができないなら彼と組む、そのどちらもできないのなら、彼と比較されることのない小さな居場所を見つけるしかなかった”(以上引用)

こういうのを20代のうちに読んで知っておけば、もっと悩まないでやってこれたろうな、とか思う。ぼくは30歳前後にデザインの分野で小さな居場所を見つける道に行ったわけだが、なんども本当にこれでいいのかと振り返りながらのろのろ進んだもんなぁ。
でも、20代で読んでも、わからなかったもかもしれネーか。実際「わかる」「わからない」って、そういうもんだよね。

4276232732ザヴィヌル―ウェザー・リポートを創った男
ブライアン グラサー Brian Glasser 小野木 博子
音楽之友社 2003-10

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