以下の文はプロの株式ディーラー綿貫哲夫氏(仮名)に対して、
林知之氏がインタビューした記事の抜粋だ。
林投資研究所の会報に、昨年7月〜11月に分けて掲載された。

これを7月に目を通したとき、
昨今の1日のボラティリティの大きさについての解説として
だれもが納得できる話だな、と思ったのである。

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こんな売買だけで出来高がふくらんでいるのが現在の実態で、純粋な売買、いわゆる実需の売買のウエイトが小さい状態だと思います。デイトレード以外の委託注文だってヘッジファンドがいたりするのですから、ある意味でスペキュレーター(投機家)ばかりになっているのです。この状況は、たぶん2007年の春とか夏あたりからみられるもので、おそらく一時的なことだと思いますが、われわれにとっては非常に重要な事実です。
 また、一般的な個人投資家にとっても意味があることではないでしょうか。出来高や騰落が見せかけのものだから、まともに観察していいのだろうかという議論があり得るでしょう。ザラ場で50円高していたのに大引けは20円安で、しかし次の日にはまた寄付からワッと買いが入ってくる、そんなことがしばしば起こるのです。
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──新人類ディーラーについての質問を続けます。彼らのやり方は、売買する範囲が広いということのほかに、どんな特徴があるのですか?

 強引な印象がありますね。極端な「1カイ2ヤリ」なんです。どんどん手を出すのですが、小さな値幅で手仕舞いして、「1カイ2ヤリで1円抜く」どころか「0.3円しか抜いていない」みたいな売買を平気でやります。だから4、5年までは考えられなかったような大商いがあるんです。

──それだと、利益が小さすぎるのでは?

 数量でカバーします。彼らの考え方はわれわれと違うんです。「出来高の何割を目指すか」みたいな、全く異質な発想があるんです。値幅ではなく出来高なんです。わかりますか?例えば、出来高の1割を目指す場合、10万株の出来高なら1万株ですけど、出来高が100万株にふくれたら「その1割の10万株やらなくちゃいけない」ということです。そうやってどんどん出来高がふくらめば、次々と人がついてくる。そうすれば、抜けるチャンスも増える。そういう発想というか、異なったアプローチをするんです。
 どんどん買って、大引けの時間が近づいても「それっ!売り方は踏め」みたいに買い進んで、最後はポジションをゼロにするために、かまわず売ってきます。で、翌日はゼロからのスタートです。だから、大商い銘柄の出来高が翌日には何ごともなかったように通常通りに戻ったりするのです。
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この項つづく