『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。
インタビューの一部を掲載する。5人目は元為替ディーラーの個人トレーダー。

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●成宮宏志(元為替ディーラー、FAIメンバー)
理論と感性を融合させて結果を出す、元為替ディーラーのFAI投資法実践者


「守・破・離」「チャートを見てマーケットの声を聴くのが楽しい」
為替ディーラーとして正規の教育を受け、現場での実績も持ち合わせた成宮宏志氏(仮名)は、現在は別の職業に就いている。しかし相場への興味を失わずに個人投資家としての道を探しているうちにFAI投資法を知り、2008年に林投資研究所を訪ねてくれた。
FAI投資法とは林投資研究所が提唱している売買手法のひとつで、長期にわたって下げ、内容が良いにもかかわらず低位に甘んじている銘柄を選定し、分散投資によって上げ相場を取ろうとするものである。今回の成宮氏が為替ディーラーとして行っていたような対象を極めて限定するトレードが職人的と定義するならば、FAI投資法は相当にアマチュア的だということになる。だが、数多い銘柄の月足チャートを手描きしながら、まさに“売買するための銘柄選定”を行うFAI投資法は、なじみやすい印象とは裏腹に資料の作成・整理に時間を費やす必要のある、仕事的な売買でもある。
さて、最初の訪問のあとも成宮氏と何度か会う機会があった私は、為替ディーラーとして学んだことをもっと知りたい、FAI投資法の研究を行う投資クラブである「FAIクラブ」のメンバー間で共有したい、と強く思うようになった。こんな経緯があって成宮氏がFAIクラブへ入会することになったのだが、個人投資家の立場にいる成宮氏のプロの目にFAI投資法がどう映るのかを知りたくて、今回のインタビューを申し込んだ。(後略)

1.学問ではわからない

──まずは為替の世界に入ったきっかけ、つまり銀行に入った理由などを聞かせてください。
実は、学校の先生が勝手に決めたんです(笑)。1990年代の前半から就職氷河期などといわれていますし、就職活動に対する認識は時代の流れでずいぶんと変わってきました。でも私が卒業した1970年代は、かなり大らかだったのです。
当時の私は東京に住んで早稲田大学に通っていたのですが、岡山県の田舎出身で何もわからないような状況だったこともあり、先生に言われるまま面接のためにある大手銀行に行きました。(後略)

2.メンタル面をコントロールするカタチ

──当時の為替の動きには、どんな特徴がありましたか?
当時は、たいへんな円高の局面でした。その昔の1ドル=360円体制が壊れ、1973年には完全な変動相場制に移行し、その後は一貫して円高方向に推移しました。私が携わっていたのは1981年から85〜86年くらいまでだったでしょうか、200円台、100円台と、どんどん円高になっていったというのが大まかなところです。 ですから、戦略としては単純でした。(後略)

3.守・破・離という道

「守・破・離」という考え方を知っていますか? 芸事(げいごと)の世界でいわれる言葉です。ものごとを習得するプロセスを、3つの段階に分けて考えるのです。
「守」は文字通り「守ること」です。まずは挨拶からとか、とにかく先生に言われた通りのことをやるのです。理屈ではなく、先ほども言ったように、とにかくカタチから入るんですね。そしてそれを繰り返しやる、反復練習することでからだが覚え、簡単に実行できるレベルにまで達するわけです。
「破」は、その次の段階です。先生なり師匠からの教えを受け入れて確実に実行できるようになったら、今度は自分なりにカタチを変えていくのです。(後略)

4.ONとOFF

──少し話が戻りますが、ドイツでのディーリングで「かなりの確信がある時しかポジションを持たなかった」「結果として全勝だった」というのは、まさに超合理的な売買行動があったからだと思います。詳しく聞かせてください。
素人ほど、のべつ幕なしに売ったり買ったりしますよね。見ていれば、チャンスというのは見つかります。中には、千載一遇のチャンスもあります。それを“感じる”かどうかですね。相場というのは、そのチャンスをものにするために自分のONとOFFをコントロールしていくことだと思います。そのために、基礎としてのカタチが重要なのです。 相場の世界とは、常につながっていないとダメです。(後略)

5.楽しみながら「投資道」を極める
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林 知之

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