『億を稼ぐトレーダーたち』の内容を紹介。最後は追加インタビューの一部。
実は追加インタビューが予定よりもそうとう濃い内容となった。そのため、ページ数の関係でやむをえず追加インタビューのページは文字が小さくなっている。やや読みづらいがその分、中身は充実しているので納得してほしい。

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追加インタビュー
本書のインタビューは2007年11月から2011年1月にかけて行った。すでにある程度の時間が経過しているトレーダーもいることから、その後の状況を知りたいと思い、フォローアップインタビューを申し込んだ。名前を売ろうとしている人たちではないので全員はムリだったが、約半数のトレーダーに追加インタビューを行うことができた。

●柳葉 輝
柳葉輝氏へのインタビューは、2010年11月25日であった。毎年、コンスタントに億単位で利益を上げてきた彼だったが、インタビュー時の年間累計利益は2000万円であった。
プラスの成績でありながらも例年に比べてかなり不調だったということと、それに加えてもう少し話を聞いてみたかったので2011年3月3日、神田のふぐ料理店でインタビューを兼ねた相場談議をしようということになった。

1.成長を感じた思い出のトレード

──まずは昨年の最終成績を聞かせてください。
インタビューのあと、11月末の数日と12月で2500万円の利益を上げることができたので、年間で4500万円の利益でした。久しぶりに年間の利益が1億円を下回ったのですが、流れが戻ってきて利益を出せるようになったので、よかったと思っています。何よりも、2010年も一定の利益を出したことで資産曲線の最高値を更新したことが、うれしいのです。自分のやり方がまだ通用するということが、数字で証明されたということですから。

──年間の金額的な目標は決めていますか?
私の目標は、年間3億円です。達成したのは2005年と2007年の2回だけですが、常に3億円という目標を掲げてトレードに取り組んでいます。(後略)

2.売りが有利なのか、買いが有利なのか

3.勝率は関係ないが統計が大切

4.UFOはいない


──私は、相場で自分の感情をどうコントロールするのかが大切だと考えています。でも、柳葉さんは違いますよね。
そうですね。感情を売買執行に一切、反映させないようにしていますから。だから、ちまたの相場情報には何の意味もないと、(後略)



●西村正明&高橋良彰
この追加インタビューは、西村正明氏と高橋良彰氏の2人を相手に同時に行ったものである。
西村氏は商品先物のプロップファーム「山前商事」のプレーイングマネージャーで、高橋氏も同じく商品先物のプロップファーム「エイ・ティ・トレーダーズ」の代表であり、やはり自らもトレードする立場だ。西村氏のインタビューは2009年1月、そして高橋氏のインタビューは2010年7月だったが、そのあと林投資研究所で開催した忘年会で2人が出会って意気投合し、業界内の飲み友達として交流が続いていると聞いた。そこで私は両氏を同時に追加インタビューし、2人の共通点と相違点をその場で明らかにして読者に届けるというアイデアを思いついたのだ。
2人の表面的な共通点は、いくつもある。まず、プロップファームでトレーダーの教育や管理を行いながら自らもトレードを行っていること。トレード対象が商品先物で、どちらもサヤ取りの手法を用いていること。またトレーダーの教育において、相手の気持ちをていねいに考えているという点も、私が2人の共通点として(後略)

1.新しいマーケットが生まれるかもしれない

──高橋さんが自ら行い、そして自社のトレーダーたちにも実行させている、手作業を大切にしたトレードは印象的でした。その後はどうですか?
高橋 同じ手法を続けています。私の手法は「サヤ取り」というよりも、最初から「サヤの組み合わせを作る」というアプローチですが、その組み合わせ方がさらに複雑になっています。最近では、もう説明するだけで混乱するようなトレードが増えてきました。ザラ場を見ながらトレードしますので、利益のチャンスをより増やすためです。

──西村さんの手法もサヤ取りですが、高橋さんのように組み合わせていくことはあるのですか?
西村 ありますね。高橋さんのように積極的に組み合わせを作っていくわけではありませんが、サヤ取りを繰り返していくと同じような考え方にたどり着くのは自然なことでしょう。

──回数を増やすだけでは足りないということですか?
西村 単純な方法だけで儲かればいいのですが、どうやったら単純なサヤ取りが“より儲かる”方法になるのかを考えます。高橋さんのインタビューにもありましたが、(後略)

2.手法を決めるのかトレード対象を決めるのか



●杉山晴彦
2005年に行われた「第6回ロビンス─タイコム先物チャンピオンシップ」において、5カ月で509・88%という見事な利益率で優勝した杉山晴彦氏は、その後もガソリンのシステムトレードを続け、安定した成績を出していた。「尊敬に値するトレーダーのこだわりを聞く」というコンセプトで始めた一連のインタビューは、この杉山氏が最初のインタビューイーだった。そしてこの本をまとめるにあたっての追加インタビューでは、杉山氏が最後の1人になった。ムリをせず素直にマーケットに従うのが信条だという彼が2007年11月のインタビューで語った中で印象的だったのは、儲かっているトレーダーに共通する4つの項目だった。「余裕のある建玉をする」「記録をつける」「自分に合った方法を選ぶ」、そして「手間と時間をかける」である。また、「大切なのはこれから」「5年後、10年後にどうなっているかだ」とも言っていた。インタビューから3年と少しが経過した今でも、これらの考えに変化がないのかを確認しながら現在の課題などを聞くために追加インタビューを申し入れたところ、休日を使って上京した時に私のオフィスに寄ってくれた。2011年4月12日のことだった。

1.目下、FXを研究中

──まずは、現在のトレード状況を聞かせてください。
インタビューの約半年後、2008年5月を最後にガソリンのトレードを中断しました。今はFX取引で、実験的なトレードをしながら研究中といったところです。

──ガソリンを中断した理由は?
前回のインタビューの時にも言いましたが、マーケットの規模の問題です。その後もマーケットが縮小していったことから、とにかくトレードしにくい状況になってしまったのです。短期のトレードでしたから、大引と翌日の寄付にギャップが生じることを嫌い、ザラ場の状況から判断して「大引で建てる」「大引で手仕舞う」といった売買を多用していました。ところがマーケットの規模が小さくなったせいで(後略)

──ほかに検討した銘柄は?
日経225先物です。実験的なトレードも繰り返しました。これも「突破口が見えるかも」というところまでは行き着いたのですが、「よし。これだ!」というところまでは至りませんでした。オイルだったから私のシステムが機能していたのか、そのあたりも含めて十分な研究をしたとはいえませんけど。

──FXを選んだ理由は何ですか?
まずは、流動性があることです。これについては文句なしのレベルですよね。政治的な影響が大きいので、株や商品先物に比べると実は不透明なマーケットかもしれません。また、業者の信頼性など個人投資家のトレード環境も、未整備な面があります。しかし非常にグローバルな銘柄なので、長く続けられそうだということです。(後略)

2.システムの限界と普遍的なトレード技術

3.成長の順序




●綿貫哲夫
異色の職業ディーラーである綿貫哲夫氏にインタビューを行ったのは、2008年4月1日だった。彼は職業ディーラーの守備範囲に徹する一方で、相場の勉強を始めたころの初心を忘れずに“個人投資家”のような目を持ち続けている。その独創性が、とても魅力的であり興味深い点だった。
そのインタビューの中では、当時、実需が少なくなった株式市場で活躍する「新人類ディーラー」の話題が出た。マーケットはその後も低迷といえる状況にあるものの、需給の面では正常さを取り戻してきたと思う。では、新人類ディーラーたちはどうなったのか? また綿貫氏の強みは、現在どのようなパフォーマンスにつながっているのか? 
追加インタビューは前回と同じ日本橋の韓国料理店で行い、寒い季節に適した鍋料理などを楽しみながら話を聞いた。2011年1月20日の夜であった。

1.新人類ディーラーの時代は終わった

──前回のインタビューでは、何にでも食らいつく新人類ディーラーたちの活躍について話してもらいました。彼らは、「個別銘柄について、出来高の何割を目指すか」といった独特の観点で日々、ディーリングに取り組んでいるということでしたね。
そうです。実際に彼らは、出来高に対する自分の売買シェアを自慢していましたね。私には理解できませんでしたが。マーケットを20年間見てきて、こんなものが長く続くはずはないと感じたので、インタビューでも「一時的なことだろう」と答えたのです。実需が減った状態だからこそ(後略)

2.アリとキリギリス

3.株式市場の夢


──あらためて綿貫さんに聞きます。マーケットの変化に対して、自分の立ち位置は変わっていないということですね。
はい、変わっていません。ディーラーになった時から持ち続けている自分の“こだわり”みたいなものに、ブレはないと思います。ただ、周囲が変わってしまいましたよね。ディーラーの数が少なくなりましたし、先物のディーリングをやっているチームから「うちに来ないか」みたいに声をかけてもらったこともあります。意外なことだったので、ちょっと驚きました。先物のディーリングって、うまくいって(後略)

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林 知之

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